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タイにて沖縄を思う。 [日本人について思うこと]

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫)

  • 作者: 岡本 太郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫
 
 
 
 
 
 
 
タイ人と日本人の違いを考える時に、沖縄の人とそれ以外の日本人の違いにふと思いが及んだ。
で、そういうこともあろうかと思ってか、偶然日本から持って来ていた岡本太郎の「沖縄文化論」を読む。 
 
沖縄に遊びに行った時の事。
もうあれは15年くらい前だけど。
 
ローカルビーチで遊ぶ地元の子達と仲良くなって、色々と話したっけね。
 
そこで沖縄のお墓が、それ以外の日本のお墓と全然形状が違くてびっくりした話なんかをして、
沖縄特有のお盆みたいな行事があることとかを聞いて、こっちは「何それ?」だし、向こうは
「え?内地ではないの?」で、お互いビックリ、みたいな楽しい文化交流が出来たっけね。
 
で、そのときに、「うちなんちゅ」「やまとんちゅ」「ないちゃー」的な言葉も知る。
そうか、沖縄の人から見ると、私たちは内地の人であり、大和の国の人なのだな、と、まあ現代の若い彼らがそんなこと意識して使っているわけではないのだろうけど、言葉の原義には、歴史的な意味が感じられてハッとしたものだ。
 
そして沖縄の言葉は、一聴した限りは何話してるのか全くわからないけれども、古い日本語の語尾がちょっと変化したものだったりして、実はもとは一緒なんだなーと感激したりもした。
 
さて話戻って、沖縄にいると沖縄以外から来た観光客なのか、地元民なのかというのは第一に重要な自己紹介になる。
まあタイにいてタイ人なのか、タイ人じゃないのかっていうのと同じくらいの情報だ。
 
ようするに若葉マークみたいなもんよね。
地元の言葉も習慣も地理もわかってない人なのか否か。
 
で、沖縄以外を内地と表現するのが的確なのかはともかくとして、ここでは便利なので、そのときに教わった言葉を使う。
 
うちなんちゅとないちゃーの違いは、 今はだいぶ薄まっているのかもしれないけれど、元々の感じは、この岡本太郎の本のごとくだと思う。
まずペースが違う。
南国特有の、ゆったりペース。
そして「マイペンライ」に通じる「なんくるないさー」という言葉に象徴される、よく言えばおおらかな、悪く言えばテキトーな気質。
そして踊り好き。
 
あれ、タイ人と日本人との違いに似てる!?
 
まあやっぱり日本人に南国風味が加わると、こういう変化になるんだろうか。
 
しかし沖縄には縄文の文化が色濃く残っていると言われていて、縄文人は日本人のルーツの一つ。
 
もう一つのルーツはご存知の通り、弥生人で、中国や朝鮮半島などの大陸から渡来してきた人々と言われる。
 
バンコクに住んでいると、ヨーロッパ人に「お前はタイ人か?中国人か?韓国人か?」みたいなことを聞かれることもあって、その違いみたいなものを聞かれることもあるんだけど、まあ文化やら国家の面は置いておいて、血の面だけ考えるとナンセンスな話だなと思うことがある。
 
ヨーロッパ人から見たら東アジア人なんて全くおんなじだろうけど、私の場合は、正直、中国人から見ても中国人だし、タイ人から見てもタイ人だし、韓国人から見ても韓国人なんである。
なんてユニバーサルな顔なのかしら。 
でも、ルーツ考えたら、そりゃあ同じ顔でも何の不思議もないし、別に何人でもいいよってな気分になる。
 
というわけで、沖縄に色濃く残っている文化も、沖縄特有というより、私の血の中に元々あるものという岡本太郎の話は、納得させられるものがあった。
 
顔がほとんど一緒というのは、内面の違い、文化の違いを実感した時に余計に断絶を感じるものらしい。
 
でも私のDNAの中には、周辺諸国と共有の、彼らの文化の根底に流れるものに馴染めるなんかを元々備えてるんだなと思う。
 
タイ人だって、中華系の血が結構入っているだから、まあ私からしてみたら従兄弟みたいなもんかと思う。
 
バンコクに住むようになって、自分の存在をごくユニバーサルな東アジア人という感じで捉えることが多くなった気がする。
 
それでもまあタイ人からしてみたらお金を落としてくれる「外国人」でしかないのかもしれないが、それを痛感するほどまで、まだタイに馴染んでいないのであった。
まあでもタイ人からしてみても、同じ顔の私は、「外国人」ではあるけれど、ファランとは違う、より身近な「イープン」なんだろうけど。
本によると、アジアの兄貴分的な感じでちょっと尊敬の目線があるというが、今時どうかはわからない。
今、高度成長期のイケイケな彼らとしては、もはや追いつけ、追い越せ的なライバル目線が入ってきている可能性もあると思う。
 
「イープン」として見られていることがどういうことなのか、私にはまだ実感できない。
わからないが、私の周りのタイ人はよく日本旅行に行くし、日本語が喋れたり、勉強していたりと、日本に興味がある人が多いのは確かだ。
 
 
 
 

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